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北海道家庭学校の展示林と1964東京オリンピック(遠軽町)

昨年から、訪れているオホーツクの遠軽町には国内で唯一の私立の男子のための児童自立支援施設があります。(ちなみに、私立唯一の女子施設は神奈川県にあるそうです)
この学校は北海道家庭学校という名で、1899年(明治32年)に留岡幸助により設立されました。今ではこの地域の名が留岡と呼ばれています。
この学校の敷地は130万坪に及び、自然豊かな森の中に学校や礼拝堂、寮や牛舎など建物が点在しています。

この学校林の一角に傾いた小さな看板があり、以下のように書かれています。

「展示林」

東京オリンピックの際、各国選手が国の代表的林木の種子をはるばる持参。
それを育苗したもののうち家庭学校の土地に適するものを十種類頂き植林。
これに道内の代表的なマツを数種類加え比較栽培を行っています。

北海道家庭学校展示林
北海道家庭学校展示林


なんと、1964年の東京オリンピックの際に、各国選手団が持ち寄った木の種が、この森でスクスクと育っていたのでした。世界中から旅してきた種がこの北の地で50年以上育っていたことを想像すると、しみじみ感動します。
オリンピックという、恐らく世界で最も派手な国際イベントの陰で、
その国際交流の種を大切にし続けてきた結果が、160本の立木となって存在しているのです。世界中からの種は、生育環境に合わせて全国に配られたため、この場所に育っているのは北方系のマツやトウヒなどです。

この学校林は、学校に断りを入れれば誰でも自由に見ることが出来ます。行事等の都合により入れない可能性もありますので、前もって連絡してみてください。(夏は虫よけスプレー必須です)
社会福祉法人 北海道家庭学校

(文:まえだ)